日本臨床試験学会 第12回学術集会総会

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【第7稿】2月5日時点の情報です、今後更新を行って参ります。

会長講演 2月13日(土)13:15~14:15

臨床研究の論理と倫理 ―臨床科学の心―

座長

佐藤 典宏(北海道大学 総長補佐・北海道大学病院 病院長補佐・臨床研究開発センター センター長)

演者

永井 洋士(京都大学医学部附属病院 先端医療研究開発機構、神戸大学大学院医学研究科 橋渡し科学分野)

【概要】

万人が願う医療の進歩には、新たな治療法の開発だけでなく、今ある治療法の最適化が必要なことは言うまでもない。前者を推進する手段がFirst-in-Humanに始まる新規医薬品等の臨床試験であり、後者のそれが実地診療の下に行われる臨床試験である。また、各臨床試験のラショナレの土台になるのが医療実態に即した観察研究であり、Big Data解析である。実際、実地診療の中でどれ程よいアイデアや仮説が産まれても、それを「人」で評価しない限り、医療の革新にはつながらない。一方で、臨床試験の成果は直接医療に還元されるが故、目の前の患者に不利益が無ければよいものではなく、未来の多くの患者に不利益があってはならない。そのためには、実施する研究の科学性を十分に確保する必要があり、国民に誤ったメッセージを与える研究は国民福祉上の脅威である。

そうした臨床試験の歴史は人道との戦いの歴史であったとも言ってよい。とりわけ、医が仁術から科学になって以降、特に19世紀後半に観察医学から実験医学へのパラダイムシフトがあって以降、世界では科学の名の下に度重なる人体実験が行われてきた。そんな中で誕生・発展したのが研究倫理であり、臨床試験を実施する上での考え方の根幹をなす。その原則はヘルシンキ宣言に謳われており、それを具体的なルールとして定めたのがICH-GCPである。ICH-GCPに則って研究を行うことで、被験者の人権と安全が確保され、研究の科学性と信頼性が公に担保されるのである。実際、データの信頼性はあらゆる科学の前提であり、それが無い限り、研究は「科学」になり得ない。一方で、臨床試験は被験者の善意と献身の上に成り立つ事業であり、従って、その成果を疾病の診断・治療・予防に最大限生かす社会制度の中ではじめて正当化されるものと考える。

欧米では、1996年のICH-GCPの合意後、事実上全ての臨床試験が国の制度下に置かれたが、わが国アカデミアの臨床試験にあっては無法状態が長く続いた。そうした中で、2013年に発覚したディオバン事件をきっかけに臨床研究法が制定された。しかしながら、同法は外部との整合性や連携に配慮しない規制であり、研究の成果を実質的な国民利益に還元する仕組みがない。とりわけ、薬機法との連携がないため、どんなによい成果が得られても医薬品・医療機器等の承認や適応拡大にはつながらない。すなわち、この法律には臨床試験の成果を積極的に医療と国民福祉の向上に役立てようとする姿勢が見えないのである。そもそも臨床試験の原点は、たとえ目の前の患者は救えなくても、次の患者は救いたいという医療者の「心」である。今一度、その原点に立ち返り、医師とそれを支える医療者の「心」に報いる統合的臨床研究制度の確立が必要ではないか。

教育講演 1 2月12日(金)9:00~10:00

最近の規制要件の変化を知る~倫理指針、臨床研究法、ICH-GCP~

オーガナイザー

中村 健一(国立がん研究センター中央病院)

座長

山本 晴子(医薬品医療機器総合機構)

「新統合指針の施行と臨床研究法改正に向けた動き」
演者

中村 健一(国立がん研究センター中央病院)

「GCP renovationの方向性と最近の動向」
演者

山崎 恵里子(医薬品医療機器総合機構 信頼性保証部)

【概要】

臨床研究を取り巻く多くの規制要件が変わろうとしている。直近では、医学系指針とゲノム指針が統合されて新たな「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」が間もなく施行される見通しである。

臨床研究法は改正に向けた議論が開始されており、さらに、グローバルではGCP renovation と呼ばれるICH-E6 の大幅改定(R3)に向けた作業が進められている。

本教育講演ではこうした臨床研究を取り巻く規制要件の最近の変化についての最新の情報提供を行う。

教育講演 2 2月12日(金)17:30~19:00

ビックデータとデータサイエンス

オーガナイザー

山口 拓洋(東北大学大学院医学系研究科 医学統計学分野 / 東北大学病院 臨床試験データセンター)

座長

手良向 聡(京都府立医科大学大学院医学研究科 生物統計学)

「ヘルスデータサイエンス:臨床予測モデルの構築」
演者

手良向 聡(京都府立医科大学大学院医学研究科 生物統計学)

「ビッグデータを用いた因果推論:観察研究データを用いた標的臨床試験の模倣」
演者

田栗 正隆(横浜市立大学 データサイエンス学部)

【概要】

本講演はデータサイエンス推進の鍵となるビッグデータの活用に焦点を当て現状を概観するとともに、ビッグデータからエビデンスをどう構築するか、因果推論の枠組みに基づいて基本的な考え方を説明する。

シンポジウム 1 2月12日(金)10:30~12:00

統計的意思決定に基づく柔軟な臨床試験デザイン

オーガナイザー

手良向 聡(京都府立医科大学大学院医学研究科 生物統計学)

座長

手良向 聡(京都府立医科大学大学院医学研究科 生物統計学)

「小規模臨床試験デザイン」
演者

手良向 聡(京都府立医科大学大学院医学研究科 生物統計学)

「マルチプレックス遺伝子パネル検査による遺伝子プロファイリングに基づく分子標的治療(患者申出療養):NCCH1901 BELIEVE試験」
演者

柴田 大朗(国立がん研究センター研究支援センター 生物統計部)

「分子標的薬を用いた医師主導治験におけるバスケット試験デザインの利用」
演者

横田 勲(北海道大学大学院医学研究院 医学統計学教室)

【概要】

希少疾患などを対象とした小規模臨床試験においては、試験のインテグリティを損なわない範囲で試験デザインを様々な形で工夫し、柔軟な意思決定を行うことによって、より少ないリソースでより多くの情報を得る必要がある。

小規模臨床試験デザインの策定における基本的考え方を提示した後に、アカデミアの試験統計家から先進医療制度や患者申出療養制度下での臨床試験、医師主導治験などの事例を紹介してもらい、課題等について議論したい。

シンポジウム 2 2月12日(金)10:30~12:00

リアルワールドデータを用いた品質管理・品質保証

オーガナイザー

大津 洋(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)

座長

上村 夕香里(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)

「レジストリの品質管理について」
演者

大津 洋(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)

「創薬への活用を目指したMCIレジストリの取り組み~品質管理をどう考えるか~」
演者

鈴木 啓介(国立長寿医療研究センター 治験・臨床研究推進センター)

【概要】

多様なデータの収集が可能になったことに伴い、いわゆるリアルワールドエビデンスを医薬品医療機器開発に活かすための方法論や必要なデータの品質・品質についての議論が産官学で行われてきている。

「承認申請等におけるレジストリの活用に関する基本的考え方について(案)」及び「レジストリデータを承認申請等に利用する場合の信頼性担保のための留意点(案)」といったレジストリに関するガイドラインのパブリックコメントを求めているなか、リアルワールドデータのひとつとなりうるレジストリを例にとって、我々がなにを考えないといけないのか?という視点から考えていきたい。

シンポジウム 3 2月12日(金)13:15~14:45

臨床研究法下で実施する特定臨床研究の準備、管理の実際
~介入研究である特定臨床研究の更なる推進を目指して~

オーガナイザー

小居 秀紀(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター 情報管理・解析部)

座長

小居 秀紀(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター 情報管理・解析部)

樽野 弘之(第一三共株式会社 メディカルアフェアーズ企画部)

「臨床試験法施行の現状と今後の取組」
演者

野村 由美子(厚生労働省医政局研究開発振興課 治験推進室長)

「臨床研究法下で実施する特定臨床研究の準備、管理
~がん領域の多施設共同研究における「特定臨床研究」マネジメントの実際~」
演者

辻 典子(特定非営利活動法人 がん臨床研究機構 JCOGデータセンター/運営事務局)

「臨床研究法下で実施する特定臨床研究の準備、管理
~精神疾患領域における「特定臨床研究」マネジメントの実際~」
演者

小居 秀紀(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター 情報管理・解析部)

「臨床研究法下で実施する特定臨床研究の準備、管理
~「特定臨床研究」を支援する製薬企業の立場から~」
演者

樽野 弘之(第一三共株式会社 メディカルアフェアーズ企画部)

【概要】

臨床研究法は、2018年4月1日の施行から、約3年が経過した。

各アカデミア・医療機関では、具体的な特定臨床研究の実施を通じて、自機関で設置した認定臨床研究審査委員会の運営、他機関設置の認定委員会への審査を踏まえた自機関実施承認の手続き、そして特定臨床研究の適切かつ円滑な準備や管理、実施といった「Sponsor-Investigator」の役割を実践してきた。また、企業では、当該企業の医薬品、医療機器、再生医療等製品を使用した特定臨床研究への関わり方や役割分担、共同研究契約の形態・具体的な内容等の整理を進めてきた。

一方、特定臨床研究に実施には、臨床研究法実施基準を遵守した研究計画や実施手順の策定、適格な症例登録やフォローアップ、データ管理・モニタリングといった準備・管理に関するノウハウや課題解決のスキルも求められる。

本セッションでは、特定臨床研究の準備・管理の実際を中心に、臨床研究法施行後3年の現状と課題、特定臨床研究の更なる推進策について議論したい。

シンポジウム 4 2月12日(金)15:55~17:25

リアルワールドデータを臨床研究に活用するための基盤整備

オーガナイザー

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

河野 健一(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

座長

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

河野 健一(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

「ヘルスデータサイエンスの役割~オープンサイエンスの潮流とデジタルヘルスイノベーション」
演者

河野 健一(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

「クリニカル・イノベーション・ネットワークの構築に向けて
患者レジストリRemudy-DMDの取り組みと課題」
演者

中村 治雅(国立精神・神経医療研究センター 臨床研究支援部)

「世界最大のReal World Data ネットワークOHDSI(オデッセイ)」
演者

平松 達雄(国際医療福祉大学 医療情報部)

「国際的な臨床研究の為のターミノロジー整備に向けて
OHDSI参加にむけたFHIR Terminology ServerにおけるRxNormマッピング」
演者

木村 映善(愛媛大学大学院医学系研究科 医療情報学講座)

【概要】

新規医療技術の臨床開発やエビデンス創出への医療ビッグデータ(医療BD)・リアルワールドデータ(RWD)の活用が益々注目されている。RWDには、電子カルテ(EHR/EMR)や診療報酬請求(レセプト)のような日常診療における医療情報から、疾患登録システム(患者レジストリ)、さらにはモバイルヘルス機器を通じた生活情報まで多種多様なデータソースが含まれる。

なかでも患者レジストリデータを活用した迅速かつ効率的な医薬品等の開発を図ることがすでに実現され、クリニカル・イノベーション・ネットワーク(CIN)の構築と信頼性担保の検討が推進されている。また、以前よりEHR/EMRやレセプトデータを用いた研究は盛んに行われている。

一方で、臨床試験データの公開が進んでいる。これら医療BDを共有しAIを活用して解析することがデータ駆動型社会への変革と描かれているが、その実現は容易ではない。データ収集や統合の技術的なハードルに加え、妥当性を確保することが研究には必須の要件である。

本シンポジウムでは、RWDの活用を実現している研究者にご講演いただき、改めて臨床研究に活用するためにはどのような基盤整備が必要かについて議論するきっかけとしたい。

シンポジウム 5 2月12日(金)15:55~17:25

考えたことがありますか?臨床研究支援職としてのキャリアプラン

オーガナイザー

松嶋 由紀子(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター)

座長

松嶋 由紀子(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター)

「“キャリアプラン”ってなに?」
演者

岩崎 幸司(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部 臨床研究センター)

「自分らしいキャリアの築き方」
演者

須崎 友紀(武田薬品工業株式会社日本オンコロジー事業部 メディカルアフェアーズ部)

「臨床研究支援職としてのキャリア(モニター)(基礎研究者→CRO→ARO)」
演者

桃井 章裕(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター)

「臨床研究支援職としてのキャリア(病院治験事務局経験者)」
演者

近藤 直樹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院)

【概要】

これまで、様々な機会に臨床研究支援職のキャリアパスが検討されてきたが、職種の壁等、様々な理由で導入が困難な組織が多い。一方で、昨今の社会事情の変化により個人の実力をつけることで仕事を確保することが求められており、そのために個人として明確なキャリアプランを持ち、主体的にキャリア選択を行う必要がある。本シンポジウムは、最初にキャリアプランの概要について紹介した後、後半は、臨床研究支援職の方に自身のキャリアについて語っていただく。

シンポジウム 6 2月13日(土)9:00~10:30

新しい生命科学・医学系研究に関する倫理指針の施行に備える

オーガナイザー

中村 健一(国立がん研究センター中央病院)

座長

吉田 雅幸(東京医科歯科大学)

中村 健一(国立がん研究センター中央病院)

「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」
演者

吉岡 恭子(厚生労働省医政局研究開発振興課)

「中央一括審査の難所と対応」
演者

山本 洋一(大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部)

「新統合指針における中央一括倫理審査の課題と対応策
~倫理事務局の立場から~」
演者

玉浦 明美(国立精神・神経医療研究センター
トランスレーショナル・メディカルセンター)

「日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group:JCOG)における新統合指針施行に向けた検討と課題」
演者

江場 淳子(国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究企画推進部)

【概要】

医学系指針とゲノム指針が統合され「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(以下、新統合指針)が間もなく施行される見通しである。

新統合指針が施行された後、現場で円滑に運用するために、新統合指針の概要に加えて、施設における運用面での対策や工夫について情報交換を行う。

特に最も大きな変化は中央一括審査の原則義務化であるため、中央一括審査に関する課題を重点的に取り上げ、新統合指針の円滑な導入を図るための知恵を共有したい。

シンポジウム 7 2月13日(土)9:00~10:30

ヘルスデータサイエンスへの道のり~医療ビックデータを活用するデータアーキテクチャの確立に向けて~

オーガナイザー

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

座長

松崎 慶一(京都大学 環境安全保健機構 健康管理部門/附属健康科学センター)

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

「ヒトを対象とする医学研究の進むべき道」
演者

松崎 慶一(京都大学 環境安全保健機構 健康管理部門/附属健康科学センター)

「患者自身の主観に基づく臨床研究 ~当事者研究~」
演者

熊谷 晋一郎(東京大学 先端科学技術研究センター)

「パーソナルヘルスレコードの臨床研究利用の可能性」
演者

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

「日常行動データと認知症・MCI早期検知」
演者

横山 慎一郎(日本オラクル株式会社 / ジョージ・アンド・ショーン株式会社)

【概要】

従来の臨床研究は病院内で発生する治療や検査他のデータを元に行われてきた。しかし超高齢化社会を迎え我が国では病院完結型医療から地域完結型医療への転換が進み、急性期病院とリハビリ・慢性期病院や介護施設その他の福祉施設がシームレスに繋がる時代を迎えている。

一方でスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスを利用したパーソナルヘルスレコード(PHR)やウエアラブルデバイス・IoT機器の普及に伴い、従来の病院内の急性期の情報に加えて、患者自身の主観、睡眠や運動などの日々の健康情報、室温や照度などの生活環境情報の研究利用が可能になってきている。それらを統合しビッグデータとして活用するためのデータアーキテクチャの確立が重要である。

本シンポジウムでは、さまざまな情報を利用した臨床研究・臨床試験の課題と可能性について、ディスカッションを行いたい。

シンポジウム 8 2月13日(土)10:35~12:05

ゲノム医療研究、バイオリソース研究の推進~日本のゲノム医療を世界最善のものとするために~

オーガナイザー

小居 秀紀(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター 情報管理・解析部)

座長

西田 俊朗(独立行政法人地域医療機能推進機構(JCHO) 大阪病院 病院長)

小居 秀紀(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカルセンター 情報管理・解析部)

「希少疾患・難病領域におけるゲノム医療の推進のために
~未診断疾患イニシアチブ(IRUD)の取り組みを中心に~」
演者

水澤 英洋(国立精神・神経医療研究センター 理事長)

「がん疾患領域におけるゲノム医療の推進のために
~がん遺伝子パネル検査による個別化医療の実際~」
演者

沖田 南都子(国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門)

「ゲノム医療研究、バイオリソース研究の推進のために
~ナショナルセンターバイオバンクの取り組み~」
演者

徳永 勝士(国立国際医療研究センター・ゲノム医科学プロジェクト)

「バイオリソース研究の推進のために
~研究倫理、個人情報保護の視点から~」
演者

飯島 祥彦(名古屋大学医学部附属病院 医学研究・臨床倫理推進室長)

【概要】

ゲノム医療研究、バイオリソース研究の推進により、日本におけるゲノム医療は大きく進展している。

希少疾患・難病領域では、未診断疾患イニシアチブ(IRUD)や、難病プラットフォーム事業等の推進により、臨床情報や生体試料から得られたゲノム情報等を集約する情報統合基盤が整備され、病因・病態の解明や画期的な診断・治療法の開発に資する多くの成果が報告されている。

がん領域では、がん遺伝子パネル検査の薬事承認を踏まえ、遺伝子変異の情報に基づく個別化医療を実装し、がんゲノム医療中核拠点病院・拠点病院・連携病院の指定による、全国的ながんゲノム医療の体制整備が進められている。

一方、生体試料やその解析結果となるゲノム情報、臨床情報の適正な取扱いには、研究倫理や個人情報保護等の課題もある。

本セッションでは、希少疾患・難病領域やがん領域のゲノム医療の取り組みを中心に、日本のゲノム医療を世界最善のものとするための方策について議論したい。

シンポジウム 9 2月13日(土)10:35~12:05

チームで臨床研究を実施するために必要な教育とは?

オーガナイザー

松嶋 由紀子(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター)

座長

松嶋 由紀子(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター)

西﨑 祐史(順天堂大学医学部附属順天堂医院 臨床研究・治験センター)

「臨床研究のプロジェクトマネージャー育成プログラム開発」
演者

菊地 佳代子(国立成育医療研究センター 臨床研究センター)

「コンピテンシーに基づくアカデミア所属モニターの教育プログラム作成」
演者

松嶋 由紀子(慶應義塾大学病院臨床研究推進センター/AMED中央IRB促進事業コンピテンシーに基づくアカデミア所属モニターの教育プログラム作成班)

「コンピテンシーに基づくアカデミア所属データマネジャーの教育プログラム開発」
演者

高田 宗典(東北大学病院臨床試験データセンター/東北大学医学統計学分野)

「職種特異的・横断的コアコンピテンシーの連携を活かした効率的な多職種協調型教育プログラムの作成と効果的な多職種共同臨床研究ワークショップの開発」
演者

真田 昌爾(大阪市立大学医学部附属病院臨床研究・イノベーション推進センター)

【概要】

質の高い臨床研究の実施のためには研究者のみならず、様々な臨床研究の専門家(研究支援者)とともにチームで実施する必要がある。しかしリソースが限定される研究者主導臨床研究においては、質の高い臨床研究を企画・運営・実施するための研究支援者との連携・チームビルディングに関して研究者が教育を受ける機会は少ないのが現状である。

またアカデミアに所属する研究支援者が研究者主導臨床研究に参画するにあたり、個々の研究支援者がカバーする業務範囲は広く、様々なコンピテンシー(知識・スキル・態度)が求められる。以上を踏まえ、今年度AMED中央IRB促進事業においては、適切な研究支援者の教育プログラム作成(PM、DM、モニター)と多職種共同WSの開発が進められている。

本シンポジウムでは、その内容について紹介するとともにチームで臨床研究を実施するために臨床研究関係者に必要な教育とはなにかを議論する。

シンポジウム 10 2月13日(土)15:45~17:15

デジタルトライアルの挑戦

オーガナイザー

河野 健一(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

座長

河野 健一(公益財団法人神戸医療産業都市推進機構 医療イノベーション推進センター)

山本 景一(和歌山県立医科大学 情報基盤センター)

「COVID-19パンデミック下での筋萎縮性側索硬化症(ALS)に対する医師主導治験の取り組み」
演者

沖 良祐(徳島大学大学院医歯薬学研究部 臨床神経科学分野)

「Post COVID時代におけるクリニカル・トライアルのNew Normal
~バーチャル試験・訪問型試験・DCTの経験を中心に~」
演者

長嶋 浩貴(東京センタークリニック 臨床研究センター長)

「オンライン診療やeSourceがもたらす治験のデジタル化とは
〜Post COVID-19を見据えた新しい治験のカタチ〜」
演者

草間 亮一(株式会社MICIN)

「医療機関への来院に依存しない臨床試験手法の導入及び活用に向けた検討」
演者

高沢 渉(日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 臨床評価部会)

【概要】

あらゆる分野においてデジタル化が進む中で慎重に検討されてきたデジタルトライアルだが、COVID-19の感染蔓延により必要性とともに導入の議論が加速している。デジタルトライアルはDecentralized Clinical Trial、すなわち医療機関への来院を前提としない臨床試験として、症例登録の期間短縮やデータの品質確保などが効果として示されているが、特に希少難治性疾患における臨床開発に大きな期待がされている。

既に日常診療のための訪問看護と連携した治験は実施されているが、デジタルソリューションの活用による負担軽減には大きな意義がある。日常生活の情報を得ることで、安全性の迅速な評価や真の医療としての効果の検証が可能とされ、まさに臨床開発におけるデジタルトランスフォーメーションが進められているが、Patient Centricityの医療開発が実現できるものとして取り組むことが本質である。

本セッションにおいては、新しい医療の開発に挑戦する医師に臨床開発の課題を明示いただき、デジタルトライアルを実現するソリューションを提供する企業及び製薬企業の立場から最新の話題を提供いただく。デジタルトライアルの本質を深め挑戦する意義を導き出したい。

シンポジウム 11 2月13日(土)15:45~17:15

パンデミック時における臨床試験のあり方

オーガナイザー

大津 洋(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)

座長

大津 洋(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)

コメンテーター

笠貫 宏(早稲田大学 特命教授 医療レギュラトリーサイエンス研究所 顧問)

「企画を始めるにあたって コロナ禍における臨床研究」
演者

大津 洋(国立国際医療研究センター 臨床研究センター)

「COVID-19パンデミック環境下におけるイベルメクチン医師主導治験から見えてきた課題」
演者

山岡 邦宏(北里大学 医学部 膠原病・感染内科)

「コロナ禍での臨床研究 〜審査の経験を踏まえて〜」
演者

上竹 勇三郎(東京大学医学部 研究倫理支援室/東京大学医学部附属病院 腎臓内分泌内科)

【概要】

2019年12月に中国より流行が始まったCOVID-19は、わが国の臨床研究の実施に大きな影響を与えた。既存の臨床研究・臨床試験が計画通り続けられないことと同様に、COVID-19を対象にした臨床研究についても、その研究の立案・実施については、通常の臨床研究よりも難しいかじ取りを必要としている。

本セッションでは、実際にコロナ禍での臨床研究・臨床試験の前線に立たれた方を迎え、その経験を共有し、社会的に大きな変革を迎える状況下で新規のエビデンスを得るための方法論について議論していきたい。

ランチョンセミナー 2月12日(金)12:10~13:10

「With コロナ時代の臨床開発業務を支える医療医薬連携環境
~カット・ドゥ・スクエアとAgatha(アガサ)の連携によるデジタル化・リモート化への取組み~」
座長

佐久間 直樹(帝人ファーマ株式会社)

演者

若井 修治(公益社団法人日本医師会 治験促進センター)

鎌倉 千恵美(アガサ株式会社)

共催

アガサ株式会社

アフタヌーンセミナー 2月12日(金)14:50~15:50

「eSourceとリモートモニタリングを活用しやすくするための環境構築と支援体制
―ベンダーの役割と規制対応の視点から―」
座長

吉田 浩輔(株式会社リニカル)

演者

田村 祐子(株式会社ビーグル 代表取締役)

中野 健一(eClinical Forum)

共催

株式会社ビーグル

事務局

株式会社ティーケーピー
第一営業部イベントコンベンション事業課ヘルスケア事業チーム内
〒162-0844
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TEL:03-5206-4003
E-mail:event-medical@tkp.jp
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